私の思い描く理想の風俗嬢を額縁の中に収めてみた。【ひさうちみちお/裸婦画5点】

ひさうちみちお画展

まだまだ日差しも強くYシャツの背中もじっとりと湿る9月のある日、私は北陸自動車道を南下していた。勇気を振り絞りとある先生に個人的な仕事の依頼の電話をしたところ、二つ返事で承諾を頂き、打合せに向かっているのだった。まさかの展開に気持ちは舞い上がり仕事がおぼつかない日々が続いていた。昨夜は緊張のあまり寝付きが悪く、床に入ってはトイレに立ちを何度も繰り返していた。眠気のせいなのか緊張のせいなのかハンドルを握る手に力が入る。車窓の右側に琵琶湖が見えなくなりトンネルに差し掛かる。京都まではもう目と鼻の先だ。

指定の住所に辿り着き車を停めて緊張した指先でインターホンを押すと「はい、ひさうちです。」と聞き覚えのある柔和な声色がノイズ混じりのスピーカーから響きしっかりと私の鼓膜を振動させた。そう、とある先生とは「ひさうちみちお」先生のことなのである。何冊も読んだ敬愛する中島らもさんのエッセイによく登場するシュールで大胆なん挿絵は作品に彩りを加え、ホッと一息をつけさせてくれたりスパイスのような刺激を振り撒いてくれた。そんなエッセンスを多感に享受させてくれた中島らもの相棒とでも言っても過言ではないひさうちみちお先生が、私をアトリエに招き入れて目の前に座って私の作品である「福井風俗体験記」を読んでくださっている。こんな光栄なことはこの先の人生で二度と訪れないであろう。

先生に依頼した内容はお気づきの通り「福井風俗体験記」の挿絵の作画である。私の思い描く理想の風俗嬢を伝え5点のポーズを依頼させていただいた。拙い私の説明をしっかりと理解してくれたようで、数日後にケント紙に描かれた生原稿が手元に届いた。ふくよかな熟れた体を表現する線はやはり本物。髪の毛の先からつま先まで神が宿った筆さばきで描かれたこの5枚の裸婦画を額装してワールドワイドウェブの中に飾ろうとそう決めた。

横たわる裸婦 / ひさうちみちお(2021年)

背を向けて脱ぐ裸婦 / ひさうちみちお(2021年)

股を開く裸婦 / ひさうちみちお(2021年)

たばこを吹かす裸婦 / ひさうちみちお(2021年)

挑発する裸婦 / ひさうちみちお(2021年)
老若男女の性の悩みにひさうち先生がアクロバティックに解答。ちょっぴりHでかなり笑えて、時には哲学的ですらあるひさうち先生の言葉に要注目です。
みうらじゅん氏、辛酸なめ子氏など著名人の悩みも解決(?)です。

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