お盆明けに溜まっていた仕事に忙殺されていた日々もようやく終わりを迎え、夕暮れの喫煙所で電子タバコを咥え一息入れていた。肺いっぱいに吸い込み、そして静かに吐き出した煙は紅掛空色にゆっくりと溶けていく。今日の仕事はそろそろ切り上げようか、そう思いながらスマートフォンでいつものサイトをチェックしているとひとりの女性のサムネイル画像にふと手が止まった。適度な肉感を持ち瑞々しい肌艶の彼女は画面越しに艶かしいポーズで私を誘惑してくる。透き通るような白い丸々とした彼女のお尻に心を奪われた私はすぐさま予約の電話を入れた。業務に追われ暫く風俗もご無沙汰であった私は若干の緊張を伴いながらもすんなり予約を済ますと、車に乗りこみ発進すると窓を全開にしてひんやりと心地よい風を車内に流し入れた。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、あんなに暑かった夏もまるで泡沫の幻であったかのようだ。激しい夏が過ぎ少しづつ落ち着きを取り戻しつつある街並みを眺めていると、物悲しい秋がもうそこまでやってきているのがよくわかる。こんな季節には人妻の柔肌が恋しくなるものである。
やってきた女性は31歳とプロフィールには記載されていたが、童顔で幾分か若く見え人妻店で働くにはいささか早すぎるようにも思えた。淡いピンクの衣服を身に纏った彼女はややふくよかではあるものの適度な色気を携え真っ直ぐな三白眼の瞳でこちらを見つめていた。人懐っこい笑顔の彼女は丁寧に挨拶をすると雑談を交わしながらテキパキと準備を済まし服を脱ぎ始める。全裸となった彼女の胸にたわわに実る乳房は私が気後れするほどの大きさで程よく熟れていた。シャワーに向かう彼女のお尻は先ほどスマートフォンで見た以上に妖艶な曲線を描き、私の股間を刺激するようにゆらゆらと揺れていた。
シャワーを終えベッドに仰向けに横たわる私の右隣りにそっと滑り込んだ彼女は静かに唇を重ねてきた。唇と唇が触れるや否や舌先がぬるりと滑り込み、私の口内をゆっくりと舐め回す。湿り気を帯びたその先端をそっと吸い絡め合うとどちらともなく小さな吐息が漏れた。何度も口づけを交わしながら彼女の甘美な唾液を味わっているとそっと私の乳首に手が触れた。乳輪の周辺から次第に中心の突起へと螺旋状に柔らかな刺激がじわじわと移動してくる。中心に向かって時計回りに近づいていく指先がまたゆっくりと反時計回りに遠ざかっていく。それを二度、三度と繰り返すうち私の呼吸はどんどん荒くなり、ついに中心に辿り着いたときには大きく喘ぎまた股間は固くそそり立っているのだった。
部屋に入った時に有線のスイッチを切っていた静かなこの部屋にピチャピチャと卑猥な音だけが響いている。大量の唾液を潤滑油としながら彼女の口内に出入りを繰り返す自らの肉棒を私はじっと凝視していた。舌先が肉棒の先端をちろちろと責め立てていることは見ることはできないが、充分に感じとることはできた。時折口を外し、上方からじっとりと唾液をしたらせ再び口内に含んだ時にはもう限界がそこまで近づいてきているのがわかった。彼女はそっと頭を上げると私の隣に体を移し、舌先で乳首を転がしながら股間を右手でゆっくりとしごき出した。二つの快感が回転しながらゆっくりと絡み合うようだ。まるで女性のような喘ぎ声を漏らしながら私の腰もついつい動き始めた。彼女の手の動きと共に私の腰の動きもスピードを増し、やがて乳首に軽い痛みを伴う快楽を与えられると私はスッと高く真っ直ぐに果てた。
彼女が洗面所に行くのを視界の端で追いながら枕元に置いた電子タバコに手を伸ばした。煙を吐きながら静かに目を閉じると遠くから鈴虫の鳴き声が聞こえてくるような気がする。