私は手早く予約を入れるとすぐさまラブホテルへと車を走らせた。もちろんBGMはテディ・ペンダーグラスの「Do Me」だ。●マダム奈々【志村玲子】45歳 (T163・91・58・88)

人妻デリヘル

巨星墜つ。2020年3月、まさにこの言葉を使用するにふさわしい人物が鬼籍に入られた。日本のテレビ界、芸能界に多大な功績を残し、全国津々浦々まで大きな笑いを届け続けたその人物とは志村けん氏である。「8時だョ!全員集合」「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」「志村けんのだいじょうぶだぁ」「志村けんのバカ殿様」など彼の代表番組は推挙に遑がない。愚直なまでにお笑いに魂を捧げ続けた彼の番組には私も幼少期から腹を抱えてたくさん笑わせてもらったものだ。私ぐらいの世代では笑いの原体験はやはりドリフターズであることは明白で、彼の訃報には少なからず衝撃を受けた。

奇しくもそんな志村さんの一周忌を迎える2021年3月にある元有名AV女優が福井に降り立った。数年前にAV業界は引退したようだが現役時代には150本以上の作品を残した志村玲子さんである。タカラ映像を中心に様々なレーベルでご活躍されている彼女の作品は私も数多く目にしていた。なかでも志村けんへのオマージュである「志村!!うしろ!!」と「変なおばさん」の二作品は苦笑しながら鑑賞した覚えがある。そんな彼女を見つけたからには入ってみる他に選択肢はない。私は手早く予約を入れるとすぐさまラブホテルへと車を走らせた。もちろんBGMはテディ・ペンダーグラスの「Do Me」だ。

いつものラブホテルでソファに深く腰掛けて電子タバコを燻らせながらスマートフォンを眺めていた。予約の時間まではまだ30分以上ある。早めに入室したのには訳があった。先ほどから動画サイトで志村玲子作品を鑑賞しているのだ。程よく熟れた大きなお尻、上品そうな容姿からは想像もできないようなエロティックなプレイ。もうしばらくしたらこの女性が目の前に現れるのかと思うと興奮はより大きいものとなり、すでに私の股間は大きくいきり立っていた。予約の時間が近づいたところでもう一度お店に電話をかけて部屋番号を伝えるとゆっくりとソファに座り直す。先ほどまでの動画がまだ脳内にこびりついている。これからのプレイに想いを馳せイメージを膨らませているとノック音が優しく部屋に響きわたった。

現れた女性は年齢は多少重ねてはいるものの近所の綺麗で上品な奥様といた容姿だった。淡い紫色のワンピースがとてもよく似合う素敵な出立だった。私は興奮を悟られぬよう静かに料金を支払う。ソファの隣に座った彼女を改めてじっくりと眺めてみる。そこに座っているのはまごう事なき志村玲子であった。おざなりの自己紹介や雑談をしながらも鼓動が少しづつ早くなっていくのがわかった。彼女はテキパキと準備を済ませ私をシャワーへと誘う。ワンピースをするりと脱ぎ、下着を外していく彼女から私は視線を外せずにはいられなかった。全裸姿となった彼女の熟れ切った裸体は動画で見るよりはやや痩せているように見受けられたが、十二分に色気を放っていた。私は彼女の少し垂れそぼった大きなお尻を眺めながらゆっくりと浴室に入った。

ここまで興奮が高まってはいたもののベッドの上では特段語るべき点もない一般的なプレイであった。彼女はAV女優という撮られるプロではあるかもしれないが、こと風俗嬢という点においては及第点を取ること難しいように思えた。唯一興奮した点と言えばここに「しみけん」「花岡じった」「森林原人」などの数々の有名男優が挿入したのかと思いながら舐めている時だけである。乳首を舐められながら、ぞんざいな右手の動きで私は静かに果てると小さく溜息をついた。そそくさと帰り支度を済ませホテルを出ると車に乗り込んだ。なんとも言えない敗北感に打ちひしがれていると、自然とこんな言葉が口をついた。「ダメだ、こりゃ。次、行ってみよう!」

門戸 志郎

門戸 志郎

哀愁漂う風俗と酒場を求めて今宵も福井の街を彷徨う… 自らの20年以上に及ぶ風俗体験を徒然なるままに記した『福井風俗体験記』 是非一度ご覧になってください

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