3年振りの大雪で機能不全に陥った福井市内。大通りの除雪は一応されてはいるものの1本路地に入るとそこかしこに立ち往生している車があった。街の至る所でスコップを手に汗を流す人々が黙々と作業にいそしんでいる。務めをそっちのけで雪掻きに追われる顔には諦めの笑顔がうっすら浮かんでいるようだ。連日の作業で蓄積した疲労のせいか妙に欲情を催していた私は先ほどからコンビニの駐車場でスマートフォンを見つめ続けている。流石に除雪作業に追われ休業している店も多く、数軒問い合わせてなんとか予約を取ることができた。予約はとれたもののホテルに辿り着くまでが一苦労であった。人目を忍ぶため多くのホテルは裏路地に面しており除雪が進んでいない所が大半で休業しているホテルも多かった。車が何度かスタックしそうになりながら、どうにかこうにか一軒のホテルに潜り込むことができた私はようやく一息つくことができた。行政からは除雪の妨げになるため不要不急の外出は避けるよう通達も出ている。休業している会社も多くあるだろう。私のこの行動は不要不急であろうか、そんな至極当たり前の事に思いを巡らせているとドアの方からノック音が聞こえた。
ドアをむこうに立っていた女性、歳は20代後半であろうか。女性にしては上背があり肉付きもしっかりしているが決して太ってはいない。部屋に入った彼女は自己紹介をしながら少し微笑んだ。とりあえずこんな状況で最初に口を開く話題はこの大雪だ。ありきたりな問答を繰り返しながら少しづつ打ち解けては来たのだがどうにも盛り上がりに欠けていた。何一つ取り上げるべき欠点はないのだがなぜか私は鼻白みつつあった。人間の相性というべきものであろうか、容姿や話し方などどうにも波長が合わないような気がするのだ。シャワーを浴びベッドに場所を移しても同様であった。スタンダードな流れで全身くまなく愛撫はするのだがいまいち乗り切れない。やたら大きな音を立てる口技も、私の趣味には合わなかった。
やがて彼女は仕上げに取り掛かかってきた。私の両ひざの間にしゃがみ込むと乳首と股間にローションを優しく塗りだした。すると右足で左乳首、左足で右乳首、右手で性器、左手で蟻の門渡と四肢すべてを巧みに操り私を責め立てた。突然のクライマックスにやや面喰いはしたものの全身を包む快楽に私は抗うこともできずそのままあっさりと果てた。体力が奪われまどろむ私の隣に手を洗い終えた彼女がそっとやってきた。私はそっと彼女に抱きつき胸の中で再びまどろみながらも小さな乳首を口に含んだ。頭上から薄く吐息が漏れ聞こえてくると私は躰の奥底から再び沸き上がる熱いものを感じた。体内時計ではまだ30分ほど時間は残っているはずだ。私は彼女に同じ責めを要求し、先ほどと全く同じ体位でもう一度果てた。可笑しいな…相性が合わない気がしたのに。